デカすぎるGクラス G550 4×4スクエアード

・G550 4×4 スクエアードとは?

メルセデスベンツが発売する大人気SUVのGクラス。2012年に六輪を搭載するモンスターSUV、G63 6×6が発表された。その3年後にまたしてもスペシャルなGクラス、G550 4×4スクエアードが発表された。簡単に言うとG63 6×6の4輪バージョン、ノーマルのG550をリフトアップしたモデルだ。その巨大なタイヤと車高の高さは、ミニ四駆で有名なタミヤが昔発売していたワイルドミニ四駆シリーズを彷彿させる。SUV好きにはたまらないであろう、如何にも「悪路を走ってください」と言っているかのような迫力のあるボディ… 一体どんなGクラスなのだろうか?

・スペック

全長×全幅×全高=4520×2100×2240mm
ホイールベース:2850mm
車重:2950kg
駆動方式:4WD
エンジン:M176型 4.0L V8 DOHCツインターボ
トランスミッション:7AT
最高出力:421ps(310kW)/5250-5500rpm
最大トルク:62.2kgm(610Nm)/2000-4750rpm
タイヤ:(前)325/55R22 115H M+S/(後)325/55R22 115
価格:約3500万円

・ここがスゴイ!

・ありえないほどの車高

一番の特徴は車高。見ればわかる、その笑ってしまうほどの高さ。軍用車両に採用されているポータルアクスル機構を搭載したG550 4×4の最低地上高は460㎜とノーマルのGクラスの約2倍もある。乗り降りする時には一苦労。サイドに足をかけるステップがついているが、乗車時には思わず「よっこいしょ」と声が出てしまうほどである。運転席からの視界は絶景。まるでバスやトラックに乗っているかのようである。ノーマルのGクラスやポルシェカイエンですら良好な視界であるが、この車の視界はそんなレベルではない。これに乗って一般道をドヤ顔で運転していても、誰も文句を言わないだろう。

さらにそのタイヤサイズも規格外である。デカい。あまりもにデカすぎる。タイヤサイズは(前)325/55R22 、(後)325/55R22 、ホイールサイズは22インチだ。ノーマルのGクラスのタイヤよりも二回りほど大きい。また、G63 6×6に搭載されているタイヤの空気圧調節機能はついていない。

・重さを感じさせないハイパワーエンジン

車重は2950kg。巨大な図体ゆえに仕方ないが約3トンもある。しかし、いざ運転してみるとその車重は思ったほど感じない。その理由はエンジンにある。この車に搭載されているのはM176型4.0L ツインターボエンジンはAMG GTなどに搭載されているものと同系統のエンジンで最高出力421馬力、最大トルク610Nmを発揮する。約2200rpmの回転域で610Nmのトルクを引き出すことができるので、アクセルを踏めば軽々と加速していく。0-100km/hまでは6秒を切る俊敏さである。

・走破性はSUV界トップクラス

すごいのはもちろん見た目だけではない。460㎜の最低地上高とどデカいタイヤサイズから繰り出される走破性はSUV界トップクラスである。アプローチングアングルは51.6度、ブレークオーバーアングルは44.6度、デパーチャーアングルは43.8度である。最大登坂角度は45度なので、壁のような坂道も登れるだろう。さらに最大渡河震度は1000㎜(ノーマルGクラスは600㎜)なので、多少の川は余裕で渡れる。この走破性能はハマーH1やG63 6×6を超える。この車で走れない道はないのではないか?と思わせるほどのオフロード走破性能である。

・オンロードでの乗り心地もなかなか

巨大なボディを支えるのは2本のサスペンション。このサスペンションはモータースポーツからインスピレーションを受けて作られており、ダンパーは電子制御の可変式になっている(スポーツとコンフォートのモードを切り替えることが可能)。このサスペンションのおかげで巨大な図体はガシッと抑えられ、街乗りでの高速走行やカーブでも非常に安定していて、決してふらついたりはしない。
また、内装もノーマルのG550と基本的に同じ。センターコンソールのパネルはカーボン製で、シートもダイヤモンドステッチが入っている。

・ここがイマイチ

・普段使いは難しい

容易に想像はできると思うが、デカすぎるが故に取り回しは相当大変である。一般的に大きいとされるノーマルのGクラスを隣に並べても、ノーマルGクラスが小さく見えてしまうほどの大きさである。それもそのはず、全長は4520㎜とノーマルのGクラスと同じだが車幅は2100㎜と2mを超え、全高は2240㎜と相当高い。まず運転には慣れが必要である。大きさと重さを考えての運転が必要で、普通のGクラスを運転している感覚でブレーキを踏んだのでは遅い。最悪玉突き事故を起こす可能性すらある。しかし、運転は慣れれば良いだけの話。問題は駐車スペースや日本の狭い道を走る時の話で、これはもうどうにもならない。駐車スペースは確実に限られるし、どれだけ高い走破性能であっても公道の狭い道は走れない。

・謎の高級仕様

これは私が貧乏性だからかもしれないが、「これ必要か?」と思う高級パーツがついている。大きくはみ出た四つのタイヤをカバーするために取り付けられたオーバーフェンダーである。オーバーフェンダー自体は良い(むしろ付いていないと違法になる)、問題は素材で、なぜかカーボン製なのである。しかも、このカーボン製のフェンダーは1枚170万円もするそうで、4枚でなんと680万円もする。もはやベンツCクラスが買えてしまうほどの値段だ。
フェンダーはオフロード走行中に(タイヤの飛び石などで)最も傷つくことが予想されるパーツの一つ。なぜこんなところにカーボン?と思ってしまったが、この車を買う人は気にしないのかもしれない。私なら傷がついたら寝込むだろう。

・個人的には好きな一台

「こんな走破性能を誇るSUVが必要か?」と聞かれれば、「いらない」と答えるだろう。ノーマルのGクラスで事足りるが、そういうことではない。これは「ここまでスゴイSUVを作ることができる」というメルセデスのチャレンジ、主張なのである。3500万円という車両価格はメルセデスの技術力とチャレンジ精神の値段だと思っている。こういった規格外のモンスターマシンを望んでいる車ファンは多いのではないだろうか。これからもこのような自動車を作り続けて行ってほしい。

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