【レビュー】Mercedes Benz 2代目GLA

  2代目GLA(H247)とは?

・4代目AクラスをベースとしたコンパクトSUV

2013年にAクラスのプラットフォームをベースとした4ドアコンパクトSUV、GLAクラス(X156)が登場。その7年後の2020年、同じくAクラス(W177)をベースにした2代目GLA(H247)が発売された。メルセデスベンツのSUVモデルの中では1番コンパクトなモデルとなる。初代に比べ、スタイリッシュさとSUV感が増した2代目GLAはいったいどんな1台なのだろうか?

  2代目GLAを詳しく見ていこう

・スペック

グレード 排気量 エンジン 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 新車価格
GLA180 1,331cc 直列4気筒DOHCターボ 136PS/20.4kg・m 7速AT FF 14.9km/L 約570万円
GLA200d 1,949cc 直列4気筒DOHCICディーゼルターボ 150PS/32.6kg・m 8速DCT 4WD 18.1km/L 約600万円
GLA35 AMG 1,991cc 直列4気筒DOHCターボ 306PS/40.8kg・m 8速DCT 4WD 11.5km/L 約780万円
GLA45 AMG 1,991cc 直列4気筒DOHCターボ 421PS/51.0kg・m 8速DCT 4WD 10.3km/L 約950万円

ベースグレードはガソリンエンジンのGLA180。ほぼ同じ装備でディーゼルエンジン搭載モデルのGLA200dもラインアップされている。GLA180はFF(前輪駆動)なのに対しGLA220dは四輪駆動である。メルセデスAMG(メルセデスのスポーツ部門)からはGLA35とGLA45がラインアップされ、GLA45に関しては2L直4ターボのエンジンで421馬力を弾き出す。

・エクステリア(外装)

大きさは、全長×全幅×全高=4415×1835×1620mm。ホイールベースは2730mmと欧州のコンパクトSUVの大道サイズ。先代のGLAに比べ車幅が約30mm、車高が約100mmプラスされたが、日本での取り回しに困ることはないだろう。車高が100mm以上高くなったことで、先代に比べSUV感はかなり増している。モデル名がGから始まるのもより納得できる見た目になってきた(モデル名がG〜はSUVであることを示している)。ヘッドライトとテールライトはキリッとしたデザインとなり、スタイリッシュな顔立ちになっている。初代GLAは優しさが感じられる可愛らしい印象だったが、2代目GLAは全体的にクールな印象。余談だが、サイドの見た目はAUDIのQ3とかにちょっと似ているなぁと感じる。

・インテリア(内装)

内装はベースとなるAクラス(W177)とほとんど同じ。ナビ画面とスピードメーターが一枚のディスプレイになっており(ナビはタッチパネル式)、センターコンソールやダッシュボードを照らす間接照明”アンビエントライト”も標準装備されている。エントリークラスとはいえ、メルセデスベンツらしい高級感と近未来感を感じられる内装となっている。また、スマホのワイヤレス充電やメルセデスのボイスコントロールシステム「メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス(MBUX)」も標準装備されており、Google HomeやAmazon Echoの様に「ハイ、メルセデス」と話しかければ、エアコンの温度調整やナビの目的地設定、オーディオの操作などを声だけで行うことが可能である。運転席のシートは先代に比べ着座位置がやや高くなっており、視認性は良好。後部座席に関しては、足下のスペースが先代よりも10cm以上拡大され、前後140mmの座席スライド機構と7段階のバックレスと調整機構を備えている。先代のGLAでは後部座席の頭上に少し圧迫感を感じたが、2代目は非常にゆったりと座ることができる。

・トランクスペース

トランクスペースは後部座席を倒さない状態で435Lで、先代に比べ14L増。後部座席を倒せば1430Lにもなるので、必要十分なトランク容量である。

・走行性能

スペックは前述の通りGLA180では136馬力/20.4kg・m、GLA220dでは150馬力/32.6kg・mとハイスペックではないが、非力さはなく軽快に動いてくれるので街乗りや高速で不満に感じることはないだろう。GLA220dはディーゼルエンジンだが、ディーゼル特有のアイドリング時の振動音はほとんど気にならない(アイドリング時や低速時に意識して耳をすませば聞こえるレベル)。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンどちらのモデルも乗り心地はパーフェクトである。また、全モデルDYNAMIC SELECT(スイッチひとつで、エンジン、トランスミッション、ステアリングなどの設定を変化させることができる機能)を標準装備しているので、「Comfort」「ECO」「Sport」「Offroad」からシーンに合わせて好きなモードを選ぶことができる。

気になる悪路の走破性能は先代よりも確実に向上している。もちろんクロスオーバーSUVなので極端に急な傾斜などは登って行けないが、多少の山道や砂利道であれば全く問題ないだろう。街乗りだけでなくアウトドアでの利用を考えている方は4WDのGLA220dを選んで欲しい。

・安全性

2代目GLAの安全性はどうだろう?Euro NCAP評価を見てましょう。Euro NCAPとはヨーロッパで実施されている自動車安全テストで、乗員保護、歩行者保護、チャイルドプロテクション、安全支援機能の4種の観点からテストを行い、その結果をもとに得点が付けられる。
2代目GLAは乗車保護が96点、チャイルドプロテクションが90点、歩行者保護が79点、安全支援機能が75点。総合評価が星5つの満点であり、安全性の高い車と言える。

また、安全支援装備としてメルセデスベンツのレーダセーフティパッケージが全モデル標準装備されている。レーダーセーフティパッケージには以下の機能が搭載されている。

・アクティブブレーキアシスト(歩行者飛び出し検知機能付き衝突軽減ブレーキ)
・アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック&アクティブステアリングアシスト(自動ステアリング機能付きクルーズコントロール)
・アクティブレーンキーピングアシスト(車線逸脱防止機能)
・アクティブブラインドスポットアシスト(死角に対するアラート機能)
・トラフィックサインアシスト(標識自動検知)
・アクティブパーキングアシスト(自動縦列駐車機能)

オプションの安全装置としては、アダプティブハイビームアシスト(ハイビーム自動制御機能)が用意されている。

  2代目GLAの維持費

・基本維持費(固定維持費)

        
名目 金額(年間維持費) 金額(月間維持費) 内訳
自動車税 39,500円 3,300円 全モデル2,000cc以下
自動車重量税 12,300円 1,025円 2年間で24,600円
自賠責保険 15,520円 1,300円 24ヵ月契約で31,040円
印紙 1,800円 150円
車検基本料 25,000円 2,100円 2年に一度で50,000円
車検基本点検料+24ヶ月点検+代行手数料
※依頼する業者によって異なります。
合計 94,120円 7,850円
上の表は2代目GLAの基本維持費である。基本維持費とは税金や車検代などその車を所有する以上絶対に支払わなくてはいけない費用。自動車税は2年に1回(原則一括払いだが場合によっては分割も可)支払う。また、車検も2年に1回車検代として重量税+自賠責保険+印紙代+車検基本料の支払いが必須である(車検代も分割払い可能)。車検にかかる費用の内法定費用(重量税、自賠責保険、印紙代)はどこに車検を頼んでも変わらないが、車検基本料は車検をお願いする業者によって大きく異なってくるので気をつけよう(正規ディーラーに頼むとかなり高額)。ちなみに上記は最低費用なので、車検でオイル交換や劣化・故障した部品の交換をする場合はその費用も上乗せされる。これも交換する部品の値段によって変わってくるが、車検時には最低費用に15万円くらいはプラスされることを覚悟しておこう。

関連記事

  1. 5代目MINIクーパーS クラブマン(2015 – 2019)

  2. 【VW】GOLF を買おう【中古車選び】

  3. 【VW】ティグアン(2008年~2016年式)を買おう【中古車選び】

  4. 【Audi】Audi A1(2011~2018年式)を買おう?【中古車選び】実験

  5. 【ベンツ】Eクラス(2009〜2013年モデル)を買おう

  6. ポルシェ カイエンS 958型(前期)