【中古車】Audi 2代目TT Coupeの購入を考える

  2代目TT Coupe(8J)とは?

・アルミボディを採用したコンパクト2ドアクーペ

1998年イギリス・マン島で開催されていたレース「ツーリスト トロフィー」の名を冠した車、Audi TT(初代)が登場した。丸みを帯びた近未来的なフォルムと2ドアのライトウエイトスポーツということで一気に人気を博した。それから8年後の2006年、2代目TTとなるタイプ8Jが登場し、2015年に3代目TT(現行)してから現在までAudiを代表するスポーツカーとして君臨し続けている。2代目TTは2006年〜2015年の約9年間にわたって販売され、中古車市場でのタマ数も多いことから値段も手頃になりつつある。本記事ではそんな2代目Audi TTについて見ていこう。

  2代目Audi TTを詳しく見てみよう

・スペック

グレード 排気量 エンジン 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 新車価格
1.8TFSI 1,798cc 直列4気筒DOHCターボ 150PS/250N・m 7速AT FF 14.6km/L 約420万円
2.0TFSI 1,984cc 直列4気筒DOHCターボ 211PS/350N・m 6速AT FF 13.2km/L 約470万円
2.0TFSI クワトロ 1,984cc 直列4気筒DOHCターボ 211PS/350N・m 6速AT 4WD 13.0km/L 約520万円
3.2 クワトロ 3,188cc V型6気筒DOHC 250PS/320N・m 6速AT 4WD 10.8km/L 約600万円

基本的なラインアップは4種類。駆動方式はFF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)である。ちなみにクワトロはAudi車での4輪駆動のことを指す。中古市場では1.8TFSI、2.0TFS、2.0TFS クワトロが多く存在し、3.2 クワトロは比較的タマ数が少ない。ちなみに、この4種類以外にもTTSやTT-RSといったハイスペックグレードも存在するが、そちらは別記事でご紹介しよう。

・エクステリア(外装)

大きさは、全長×全幅×全高=4190×1840×1390mm。コンパクトだが欧州車らしく車幅は結構広く、正面から見るとそこまで小さくは見えない。しかし、1850mm以下に車幅が収まっているので、日本での取り回しにそこまで困ることはないだろう。ホイールベースは2465mmなので小回りはだいぶ効く。先代のモデルと同様に丸みを帯びたデザインだが、ヘッドライト、テールライトはスタイリッシュになっており、カッコかわいいという表現がしっくりくる。この手のフォルムが好きな人は多いのではないだろうか。Audiの高性能スポーツカーR8に酷似したデザインなので、一瞬見間違えてしまう。2代目TTが登場したのは今から10年以上前だが、今でも色褪せない先進的な見た目である。ちなみに、各グレードでそこまで見た目に違いはないが、3.2 クワトロになるとマフラーが左右2本出しになる。

・インテリア(内装)

内装はAudiらしくシンプル。ややプラスチック感はあるが、そこまで古臭さは感じない。余計なスイッチ類はあまりなくAudiに乗ったことがない人でもすぐに慣れることができる。着座位置はスポーツカーらしく低め。乗り降りは若干しずらいが、慣れればそこまで不便さは感じない。このサイズゆえにとても広いとは言えないが、缶詰状態になるほど狭くはなく、まあ普通。シートの座り心地も良いので、長距離移動でもそこまで疲れることはないだろう。実はこの車、ツーシターではなくフォーシーター。つまり4人乗りなのである。おまけ程度の後部座席が2つ付いているが、ほとんど使い物にならないと考えてもらってよい。日本人標準体型の成人男性が乗れないこともないが、1時間も乗っていたら体がバキバキになること間違いなし(マッチョになるって意味じゃないよ)。

・トランクスペース

トランクスペースは後部座席を倒さない状態で290L。後部座席を倒せば700Lにもなる。さすがはハッチバックといったところで、このボディサイズからすると十分な容量である。前述したが、後席に人を乗せるのはやや厳しいので、いっそのこと倒してトランクスペースとして使うのもアリだ。

・走行性能

このボディサイズで最低150馬力、2.0TFSIなら200馬力以上あるのでかなりスイスイ動く。剛性の高いアルミボディと車幅も相まって、高速走行もコーナリングかなり安定している。地面をしっかり食って走る感覚をさらに味わいたい人はクワトロ(4WD)モデルを選ぶと良いだろう。ショートボディで小回りも効くので都内での取り回しにも困らない。ただし、2代目TTはSトロニックというデュアルクラッチのセミATを採用しているのだが、これが発進時若干のギクシャク感を感じさせる(一度走りだせばギクシャク感は全くない)。全体的に静粛性は普通だと思うが、ロードノイズは少し拾っている感じはする。まあツーシーターのスポーツカーということを考えると全然許容できるし、不快になる程ではない。オプションでマグネティックライド(可変式サスペンション)を装備している個体もあるが、やや硬さが増すのでTTには必要ないかなと個人的には感じる。

エンジンはV6(3.2クワトロ)と直4ターボ(1.8TFSI、2.0TFSI)の2種類あるが、力強い太い走りをしたいなら前者、高回転でブンブン回したいのなら後者である。個人的にはこのサイズのライトウェイトスポーツでは直4ターボがマッチしている気がする。V6は低音の心地よいサウンドが魅力的だが、この車にはややオーバースペック気味。3.2クワトロ買うならTTS買うかな。。。

・安全性

2代目TTの安全性はどうだろう?Euro NCAPやIIHS(ヨーロッパやアメリカの自動車安全性を評価する団体)でのテストが行われていないので、定量的な評価は難しいが、アウディのアルミボディは頑丈さが有名なので他のアウディ車と同等の高い安全性を兼ね備えていると考えてよいだろう。エアバック等も必要な個所にはすべて備え付けられている。しかし、衝突軽減ブレーキなどの安全支援システムはオプションでも用意されていなかったので、この辺りはやや物足りなさを感じる。ちなみに、クルーズコントロールはオプション装備されているので、長距離移動に使う人はクルコン付きの個体を選ぶことをおススメする。

  2代目TTの故障は?

2代目TTの故障はどうだろうか?故障が多い車ではないが、よくある故障事例としてはエンジンのタイミングベルトとトランスミッションの故障である。 タイミングベルトに関しては6~7万キロくらいでダメになり始める。タイミングベルトは消耗品なので交換は避けられないと割り切りろう。エンジンのパフォーマンスを保つためにも5万キロくらいで交換しておくことが望ましい。10万円以下で交換可能なので、必要な出費として頭に入れておこう(5万キロに1回なのでしょっちゅう交換するものではない)。また、TTに限った話ではないが、エンジンオイルは小まめに交換しよう。5000㎞毎に交換することが望ましい。値段は高くても2万円程度。オイル交換を怠るとエンジン内が汚くなって熱がこもりやすくなり、取り返しのつかない故障に繋がる可能性があることは念頭に置いておこう。 続いてトランスミッションの故障について。2代目TTはS-tronicと呼ばれるDCT(簡単に言うとマニュアル車のクラッチ操作を自動でやってくれる機構)を採用している。アウディ車とフォルクスワーゲン車はDCTを採用した車が多いのだが、この故障が一番多い。具体的には、トランスミッション内のクラッチが摩耗してガタツキが生じる。リコール対象になっているモデルもあるので購入時には整備点検簿に目を通してしっかり確認しよう(過去に故障していても交換・修理されていれば基本的に大丈夫)。また、S-tronicにガタが来ている車は低速時にその兆候が出やすいので、可能であれば試乗して異音がしないか確認しておくことが望ましい。ちなみにS-tronicが壊れると最悪50万円くらいはかかる。

  2代目TTの維持費

・基本維持費(固定維持費)

        
名目 金額(年間維持費) 金額(月間維持費) 内訳
自動車税 1.8TFSI/2.0TTFSI(クワトロ):39,500円
3.2 クワトロ:58,000円
1.8TFSI/2.0TTFSI(クワトロ):3,300円
3.2 クワトロ:4,850円
1.8TFSI/2.0TTFSI(クワトロ):1,500~2,000cc
3.2 クワトロ:3,000~3,500cc
自動車重量税 12,300円 1,025円 2年間で24,600円
自賠責保険 15,520円 1,300円 24ヵ月契約で31,040円
印紙 1,800円 150円
車検基本料 25,000円 2,100円 2年に一度で50,000円
車検基本点検料+24ヶ月点検+代行手数料
※依頼する業者によって異なります。
合計 1.8TFSI/2.0TTFSI(クワトロ):94,120円
3.2 クワトロ:112,620円
1.8TFSI/2.0TTFSI(クワトロ):7,850円
3.2 クワトロ:9,385円
上の表は2代目TTの基本維持費である。基本維持費とは税金や車検代などその車を所有する以上絶対に支払わなくてはいけない費用。自動車税は2年に1回(原則一括払いだが場合によっては分割も可)支払う。また、車検も2年に1回車検代として重量税+自賠責保険+印紙代+車検基本料の支払いが必須である(車検代も分割払い可能)。車検にかかる費用の内法定費用(重量税、自賠責保険、印紙代)はどこに車検を頼んでも変わらないが、車検基本料は車検をお願いする業者によって大きく異なってくるので気をつけよう(正規ディーラーに頼むとかなり高額)。ちなみに上記は最低費用なので、車検でオイル交換や劣化・故障した部品の交換をする場合はその費用も上乗せされる。これも交換する部品の値段によって変わってくるが、前述の故障の件も含めると、30万円くらいのストックがあると安心できる。

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