【中古車】Audi R8 を買おう(2007〜2012年式)

・Audi R8 4.2FSI (2007~2012年式)とは?

・Audi初のミッドシップスーパーカー

Audi R8 4.2FSIは4.2L V8FSI(筒内直接噴射)エンジンをミッドシップに搭載したAudi初のスーパーカーである。2007年に最初のモデルであるR8 4.2FSIが発売され、その2年後に5.2L V10FSIエンジンを搭載するR8 5.2FSIが登場した(本記事では4.2FSIについて説明する)。Audi R8はかつてルマン24時間耐久レースで活躍したR8(レーシングカー)からインスピレーションを受けた、Audi初のミッドシップレイアウトのスーパーカーである。420馬力を発揮する4.2L V8 FSIエンジンとAudiクワトロシステム(4WDシステム)を搭載し、Audi RSシリーズを超える俊敏性と快適性を兼ね備えている。トランスミッションには6速Rトロニック(セミオートマチック)と6速MTが用意される。また、他に類を見ない均整の取れたボディラインも魅力の一つである。

2012年にマイナーチェンジを行い、2016年には2代目R8が発売された。2007~2012年にわたって発売された初代R8は中古市場で900万円を切る価格帯になってきた。そんな初代R8の「特徴」、「維持費」、「故障」などについてみていこう。

・R8を詳しく見ていこう

・スペック

 
グレード 排気量 エンジン 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 新車価格
4.2L V8 FSI 4,163cc V8 DOHC 自然吸気 420PS/43.8kg・m 6速 Rトロニック/6速MT 4WD ―km/L 約1,700万円

駆動輪はアウディクワトロシステムのフルタイム4WD。トランスミッションは6速 Rトロニック(シングルクラッチのセミAT)と6速MTが用意される。

・エクステリア(外装)

大きさは、全長×全幅×全高=4435×1905×1250mm。ホイールベースは2650mm。車幅が広く、全高が低いボディはいかにもスーパーカーである。ミッドシップにレイアウトされたエンジンによってボディの前後バランスは均等に保たれている。ボディサイズこそ違うものの、やや丸っこいデザインはアウディTTに少し似ていてる。いかにもアウディらしいシルエットだが、非常にバランスよくまとまっており、他に類を見ない近未来的なデザインの一台である。また、リアウィンドウを覗き込めば見える4.2L V8エンジンは迫力満点である。

・インテリア(内装)

内装はTheシンプル。Audiの他のモデルとほとんど同じ内装である。ここは1500万円超のスーパーカーなのでもう少し頑張って欲しいところ(パドルシフトをもっと大きくするとか…)。唯一の特徴としてはシフトノブが他のAudi RSシリーズとは異なり、ジョイティック形状の独特なものになっている。

・収納スペース

ミッドシップエンジンなので、ポルシェ911やフェラーリのV8モデルと同様にボンネットがトランクになっている。収納容量は100Lとかなり少なめなので、スーツケースを1つ積み込むのも厳しい。しかし、座席の後部に荷物を積むスペースがあり、ここにゴルフバックを積むことができるのだ。

・走行性能

走り出しはトルコンATやSトロニック(デュアルクラッチのセミAT)ほどスムーズではない。これはRトロニック(シングルクラッチのセミAT)のせいであり、擬似クリープもないので、アクセルを踏み込まない限り車は1mmも進まない。駐車時や渋滞の時は少し困る、というか慣れが必要である。しかし、いざ車が進んでしまえばトランスミッションのギクシャク感などは感じられない。しかし、Audiクワトロシステム(4WDシステム)によって地面に喰らい付く様に加速していく。実はR8の4.2 V8モデルはAudi S4と同じエンジンを搭載している。馬力は420馬力なので、Audi RS5(B8)の450馬力に負けているのだ。しかしながら、仮にもR8はポルシェ等のピュアスポーツをライバルにしているだけあって、Audi RSシリーズとは一線を画すパワフルさがあり、エグゾーストサウンドもR8特有の太く力強いサウンドである。また、俊敏性は他の一流スポーツカーの中でも随一で、きつめカーブや急な車線変更でも車体は全くぶれことはなく、驚くほどに安定している。これも高剛性のアルミボディ、ミッドシップレイアウト、クワトロシステムだからこそ成せる業であろう。それに加えて乗り心地は抜群に良い。これほどの俊敏性を持つスーパーカーであれば「足回りは結構硬めか?」と思っていたが、そんなことはない。しなやかさと硬さが絶妙なバランスで調整された足回りでる。オプションのマグネティックライド(磁性制御式可変ダンパー)が付いていれば、スイッチ1つで足回りの硬さを調整できる。 スパルタンさで言えばポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニには及ばないが、スポーティさと快適性のバランスは満点である。強いて言えばパドルシフトを使っている時の変速のダイレクト感とスピード感がもう少し欲しい。ドライビングよりを楽しみたい方には6速MTモデルがおすすめである。セミATのRトロニックの方がクラッチ操作が速く楽に乗れるが、やはりクラッチペダル付きの真のマニュアル車はパドルシフトで操作するより全然面白い。MT車の扱いに慣れている方であれば6速MTモデル一択であろう。それにRトロニックよりトランスミッションの故障のリスクが少ないのも6速MTモデルのポイントの1つだ。

・安全性

アウディのアルミボディの頑丈さは有名であり、R8も例に漏れずかなり頑丈な作りになっている。映画アイアンマンの主人公トニースタークの愛車として劇中に登場するが、R8の予想以上の頑丈さに破壊するシーンが撮影できず、そのシーンが没になった程である。一方でAudiの他のモデルに付いている安全支援システムは付いておらず、アダプティブクルーズコントロールや衝突軽減ブレーキはオプションでも用意されていない。Audiは独自の安全支援システム技術(アウディ プレセンス)を持っているで、せっかくならR8にも搭載して欲しかった。

・R8 4.2FSIの維持費

・基本維持費(固定維持費)

        
名目 金額(年間維持費) 金額(月間維持費) 内訳
自動車税 76,500円 6,375円 4.2FSI:4,163cc
自動車重量税 16,400円 1,370円 2年間で32,800円
自賠責保険 15,520円 1,300円 24ヵ月契約で31,040円
印紙 1,800円 150円
車検基本料 25,000円 2,100円 2年に一度で50,000円
車検基本点検料+24ヶ月点検+代行手数料
※依頼する業者によって異なります。
合計 135,220円 11,270円

上の表はR8 4.2FSIの基本維持費になります。基本維持費とは税金や車検代などその車を所有する以上絶対に支払わなくてはいけない費用のことです。自動車税は二年に一回(原則一括払いだが場合によっては分割も可)で5月までに支払います。また、車検も二年に一回車検代として重量税+自賠責保険+印紙代+車検基本料を支払います(車検代も分割払い可能)。車検にかかる費用の内法定費用(重量税、自賠責保険、印紙代)はどこに車検を頼んでも変わりませんが、車検基本料は車検をお願いする業者によって大きく異なってくるので気をつけましょう(正規ディーラーに頼むとかなり高額です)。

・R8 4.2FSIの故障やメンテナンス

さて気になるR8 4.2FSIの故障だが、よく聞く故障はトランスミッション(Rトロニック)の故障である。ATとはいえどセミATなのでクラッチ交換が必要になる。R8のクラッチは結構長持ちするが、ローンチコントロールやATモードを多用している場合は摩耗が早くなる。クラッチ交換は工賃込みで40万円程の費用がかかる。また、オプションのマグネティックライド(磁性制御式可変ダンパー)が付いている場合は注意が必要である。マグネティックライドは走行距離3万キロ以上でガタがくると言われている。故障した場合はマグネティックライドの交換又は別のサスペンションに交換する必要がある(マグネティックライドの場合1本10万円くらいする)。その他に電装系の故障があるが、これは普通のAudi同様の修理代になるだろう。

R8は信頼性が高く故障は少ない傾向にある。R8だからと言ってAudiの他のモデルよりも故障しやすいということもない。比較的シンプルな構造であるので、トラブル時も他のスーパーカーよりも出費は少ない。とは言え、トランスミッションや可変ダンパーが故障するとそれなりの出費になるので、中古車を買う時はクラッチの残量やマグネティックライドの状態を確認しておくことは必須である。

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