BMW 3シリーズ、ベンツ Cクラス、Lexus ISなどの競合するライバル車に比べて車格が大きいにも関わらず、アルミ等の軽量素材を数多く用いることで車重1450kgという軽量化を実現しています。軽量化されたことで先代からの燃費性能の向上はもとより、走行性能も確実に向上しています。
FFモデルである前期型「1.8 TFSI」は160馬力・25.5㎏m、後期型「2.0 TFSI 」は180馬力・32.6kgmのパワーを発揮し、4WDモデルである前期型「2.0 TFSI」は180馬力・32.6kgm、後期型「2.0 TFSI クワトロ」は211馬力・35.7kgmを発揮します。それぞれのモデルで馬力差はあるものの、どのエンジンも1500rpmの低回転から最大トルクをはじき出せるので、低速から非常に力強い余裕のある走りを体感することできます。
トランスミッションの違いによる性能差は少しあり、CVT(無段変速機)搭載の前期型「1.8 TFSI」と後期型「2.0 TFSI」はアクセルのレスポンスに若干のラグを感じます。一方で、7速Sトロニック搭載の前期型「2.0 TFSI」と後期型「2.0 TFSI クワトロ」は速度に応じて瞬時に適切なギアが割り当てられ、滑らかで静かな加速を実現しています。また、S-lineパッケージ搭載車にはステアリング後ろにパドルシフトが付いており、手動でギアのアップダウンを行うことでトランスミッションは素早く反応し、ドライビングをより一層楽しむことができます(パドルシフトがなくてもシフトノブで手動操作を行うことができます)。
ブレーキ性能はどのモデルも優秀。車体が軽量化したこともあり先代からのブレーキ性能は向上しています。
ステアリング性能は駆動方式による違いが顕著に出ます。低速域での取り回しの良さはFF(前輪駆動)モデルに軍配があがります。駆動輪を操舵させることによって小回りが利き、Uターンでもグイっと曲がることが可能です。一方で高速域でのステアリング性能はクワトロ(4WD)モデルの方が安定感があります。高速域での急カーブであっても4輪でしっかり地面を捉え、ふらつくことなく曲がっていきます。
高速域ではボディ剛性も相まって高い静粛性を実現していますが、余力のある走りを感じられるのは後期型の「2.0 TFSI クワトロ」。
乗り味としては硬さはあまり感じませんが、スイッチ一つで走行スタイルに応じたエンジン・サスペンション・ステアリング特性を変えることができる「アウディドライブセレクト」(オプション)を搭載していれば、スポーツ走行時に足回りを硬くすることも可能です。
実用性を考えれば、どのモデルを選んでも不満には感じませんが、ワインディングロードなどでスポーティな走行を楽しみたいという方は、スポーティに仕上げられた「2.0 TFSI クワトロ」をお勧めします。