Aクラス(W176)とは?
Aクラスは、1998年にメルセデス・ベンツの最小コンパクトカーとして登場した。当時は、高さがあるモノフォルムデザインが目を引くモデルだったが、2005年には2代目(W169)が登場し、ボディサイズはそのままに内外装のデザインをモダン化。そして2012年には、フルモデルチェンジを受けて3代目Aクラス(W176)が誕生した。このモデルでは、サンドイッチコンセプトと呼ばれる2層フロアを廃止し、ロー&ワイドなプロポーション、いわゆるスポーティなデザインへと一新した。また、4WDやハイパフォーマンスモデルも設定されるなど、走りにも磨きがかけられたスポーツハッチへと変貌を遂げた。2018年には4代目(W177)が登場し、現在も高い人気を誇っているベンツのエントリーモデルだ。
さて、3代目Aクラスも一世代前のモデルとなり、中古市場にも多くの個体が存在している。価格も200万円以下のものが多く、手に入れやすくなっているが、グレードが複数あるので購入に迷う方も多いだろう。そこで、この記事では3代目Aクラス(W176)のおすすめのグレードを紹介していく。
3代目Aクラス(W176)の各グレードを見ていこう
スペック
グレード名 | 排気量 | エンジン | 最高出力/最大トルク | 変速機 | 駆動方式 | 燃費 | 新車価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A180 | 1,600cc | 直列4気筒ターボ | 122ps/200Nm | 7速DCT | FF | 17.8km/L | 293万円 |
A250 4MATIC | 2,000cc | 直列4気筒ターボ | 211ps/350Nm | 7速DCT | 4WD | 16.8km/L | 475万円 |
A45 AMG | 2,000cc | 直列4気筒ターボ | 360ps/450Nm | 7速DCT | 4WD | 12.5km/L | 685万円 |
3代目Aクラス(W176)にベースグレードの1.6Lエンジンを搭載したA180、2.0Lエンジンを搭載した4WDモデルのA250 4MATIC、AMG社製のエンジン・サスペンション・トランスミッションを搭載したハイパフォーマンスモデルのA45 AMGがラインアップされている。
A180
A180はベースグレードとなるモデル。122馬力の200Nmなので、そこまで力強さは感じないが、このサイズの車にとっては特に不満のないエンジンスペックである。主な装備は下記の通り、基本的なもの以外は付いていないが、普段使いする上では必要十分である。
・16インチ鍛造ホイール
・ファブリックレザーシート
・バックカメラ
・7インチ ナビディスプレイ
・ハロゲンヘッドライト
・クルーズコントロール
※レーダーセーフティパッケージはオプションだが、基本的に付いている個体が中古市場には多い。
Aクラス自体がベンツのエントリークラスなので、その中のベースグレードとなると見た目に物足りなさを感じる。先代よりもスポーティーな外観になりカッコよさは増したが、もうひと押しほしいところ。
そこはメルセデス、実はA180をベースに外見だけカッコよくした「A180 スポーツ(後期はA180 AMGスタイル)」というモデルを出している。このモデルは、エンジンスペック等の基本的は部分はA180で、外見だけメルセデスのスポーツグレードであるAMGの見た目に寄せたグレードである。「見た目はAMG、中身はA180」ということだ。A180スポーツ(AMGスタイル)にはAMGスタイリングパッケージ(18インチAMGホイールやAMGエアロ)が標準装備されている。付いている装備は以下の通り。
・18インチAMGマルチスポークアルミホイール
・AMGエアロキット(フロントバンパー、サイドスカート、リアバンパー)
・2本出しマフラー(後期はリアバンパー一体型マフラー)
・Dynamicaコンビレザーシート
・スポーツステアリング
・AMGスポーツサスペンション(A180より車高が15㎜程低くなる)
その他細かいところは色々違うが、ベースグレード比べて内外装共によりスポーティになり圧倒的に高級感が増している。基本スペックはベースグレードと変わらないので走行性能に関して違いはないのだが、見た目がこれだけ違うとテンションも上がり、よりパワフルに感じることができる。
A250 4MATIC
A250 4MATICは2.0L直4ターボエンジンを搭載した少し高級なグレード。A180との主な違いは、パワーと駆動方式である。A250は211馬力/350NmとA180よりも90馬力もアップし、駆動方式もA180はFFだがA250では4WDになっている。211馬力/350Nmはこのサイズの車にしては十分すぎるパワーで、4WDも相まって走りに相当な余裕を感じる。
外観はA180スポーツ(AMGスタイル)と同じで、スポーティさと高級感は兼ね備えている。
A45 AMG
A45 AMGはAクラスの最高級グレード。エンジン、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション等ほとんどをメルセデスAMG(メルセデス・ベンツのスポーツ部門)が手掛けている。AMG社製の2.0L直4ターボエンジン(M133)は360馬力/450Nmを叩き出す。このサイズの車にはオーバー過ぎるほどのパワーなので、暴力的なほどに速い。それに加え、トランスミッションもAMGスピードシフトDCTを採用しており、パドルシフトを触れば瞬時にシフトチェンジが可能だ。
外装は写真を見ていただければ説明不要であるが、もちろんスポーティ。見ただけで速そうである。内装も他グレードとは差別化が図られており、専用のスポーツレザーシートを装備し、シフトレバーもA180やA250とは違い、他AMGモデルと同様にセンターコンソールに配置されている(A180やA250はコラムシフト)。
また、エンジンサウンドも他グレードとは全く異なり、やや甲高く心地よいスポーツサウンドを楽しむことができる。シフトダウンすれば「バンッ」といったブリッピング音を響かせてくれる。
おすすめのグレードは?
1位:A180 スポーツ(AMGスタイル)
3代目Aクラス(A176)の見た目が好きで、とりあえずこの車に乗りたいと思うのであれば、A180スポーツ(AMGスタイル)をおすすめする。もちろんベースグレードのA180よりかは高いが、中古車ではそこまでの価格差はなく、価格差に対するベースグレードとの見た目の違いが大きいので、絶対にお得。また、可能であれば、デザインがより洗練され、ダイナミックセレクト(走行モードを変えられる機能)が付いた後期型のA180 AMGスタイル選ぶ方が良いだろう。
2位:A250 4MATIC
A250は一言で言ってしまえば、A180 スポーツ(AMGスタイル)の走りに余裕があるバージョンである。とは言え、A180 スポーツ(AMGスタイル)が決して非力なわけではないので、違いが感じられるのは高速走行時やワインディングロードの様なちょっとしたスポーツ走行時だけである。A45 AMGほどのスポーティーさは求めてないけど、少しドライビングも楽しみたいという方にとってA250 4MATICはおすすめのグレードである。A180もA250も試乗してみて、あまり差を感じられなければ、正直A180で十分である。
3位:A45 AMG
A45 AMGはA180やA250とは別次元の車種なので、ここに並べること自体に場違い感があるが、、走りと実用性を兼ね備えたホットハッチが欲しいならA45 AMGを選ぼう。ただし、AMGは中古価格もそれなりに高いので、状態の良い個体を買おうとすると、上位クラスのCクラスやEクラスのベースグレードに手が届いてしまう。それに、AMGはパーツも高額で維持費も高く付くことを忘れてはならない。
しかし、値段に見合った走りを体感できることは間違いないので、気になる方は是非一度試乗してみることをおススメする。