メルセデスがサブブランドである「メルセデスAMG」や「メルセデスマイバッハ」向けに提供する高級オプション「Designo(デジーノ)」。高品質な素材と塗装で、自分流にベンツの内外装をコーディネートできるプログラムである。
Designoによるエクステリアの塗装は複数のカラー・質感が用意されている(車種によって選べる色や質感は異なる)。ブラックやモカ(ブラウン)系のシックなカラーリングから、レッド・イエロー・ブルーといった所謂ド派手なカラーリングまで選択可能だ。質感もパール系(ツヤあり)とマグノ系(ツヤなし)から選ぶことができる。
上の写真は外装色がDesignoヒヤシンスレッド(パールレッド)のMercedes-AMG G63。ブラックやホワイトのG-classはよく見かけるが、あえてレッドを選ぶのも良いだろう。どこにいても目に入るようなワインレッドのカラーリングが巨大なG63の存在感をさらに強調させている。
上の写真は外装色がDesignoブリリアントブルーマグノのMercedes-AMG GT 63s。ツヤなし(マグノ)ブルーという大変珍しい組み合わせのカラーリング。昼間は明るめのブリリアントブルーによって存在感とボディのシルエットを映えさせ、夜はマットな質感によってミステリアスな雰囲気を醸し出す。
上の写真は外装色がDesignoモカブラックのMercedes-Benz S400。真っ黒ではなく少しモカ(茶色)が入ったカラーリング。Sクラスの様な高級サルーンにはこの様なシックなDesignoカラーが良く似合う。
Designoが手掛ける内装(デジーノインテリア)を見てみよう。デジーノインテリアではインテリアトリム(パネル)のデザインとシート等に使われるレザーの色を選択することができる。レザーの素材はナッパレザー一択。
ナッパレザーとはアメリカのナッパ地域で作られていた革が語源で、強靭で柔らかく光沢のある牛側の事を指している。この高級ナッパレザーを熟練された技術を持った職人が手作業で仕立てていく。
上の写真はMercedes-AMG S63の内装。ブラックとワインレッドのツートンカラーで構成され、レッドステッチで仕上げられている。インテリアトリムは木目調がうっすらと見えるブラックアッシュウッドを採用。
上の写真はMercedes-Benz S550 Cabriolet。ホワイトとベンガルレッドのツートンカラーリング。インテリアトリムはホワイトラインの入った光沢のある「Designoブラックピアノラッカー」を採用。
Designoは内外装がセットになったオプションではない。外装色だけデジーノ、内装だけデジーノといった選択も可能である。もちろん内外装共にデジーノで仕上げることもできる。今回は内外装共にデジーノでコーディネートされた一台を見てみよう。
上の写真はMercedes-AMG SL63。外装色はDesignoミスティックブルーブライト。イエローやレッドの様なド派手な色ではないが、鮮やかなブルーがカブリオレのボディにベストマッチしている。
こちらの写真は内装。ホワイトとブラックのツートンカラーで構成されている。インテリアトリム(コンソールパネル)までもホワイト(シャンパンホワイトピアノラッカー)で統一された、なんとも大胆な内装のSL63。ダイヤモンドホワイトを基調とした内装と外装色のブルーが相まって、高級であるが決して重々しくない爽快な印象に。また、ブルーのアンビエントライト(内装の間接照明)が幻想的な雰囲気を演出している。
フェラーリやランボルギーニ、ロールスロイスなどの超高級外車メーカーには漏れなく存在するスペシャルオーダーメードプログラム。テーラーメード(フェラーリ)、アドペルソナム(ランボルギーニ)などのスペシャルオーダープログラムがあるが、こういったプログラムは顧客のお眼鏡にかなったカラーがなければメーカー調合してオリジナルカラー作ってくれるなど、顧客の我儘を可能な限り叶えてくれる(勿論、超高額オプション)。Mercedes-Maybachなどの超高級モデルにはこのようなオーダーメードプログラム(一般には公開はされていない)が存在するかもしれないが、残念ながらDesignoはその域には達しておらず、限られたカラーや素材からしか選ぶことができない。自分のオリジナルカラーで塗装され、オリジナル素材で仕上げられた内装の「世界に1台しかない自分だけのメルセデス」を望んでいる顧客は多いのではないだろうか。近い将来、メルセデスにもスペシャルオーダーメードプログラムが誕生することを期待している。
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