【Car news】Ferrari プロサングエは最強のSUVか?

  Ferrari プロサングエとは?

・Ferrari初の4ドアSUV

昨今のSUVブームはすさまじい。メルセデス、アウディ、レクサスがSUVのラインアップを拡大させる中、マセラティやアストンマーチン、そしてランボルギーニといった高級スポーツカーメーカーまでもSUVをラインアップに追加している。そしてついに、「SUVは作らない」と言っていたフェラーリが待望の4ドアSUVモデル「プロサングエ」を発表した。フェラーリは2011年にFerrari FFと呼ばれる2ドア4人乗りの4WDを発売し、世間を驚かせた。しかし、フェラーリの4ドアのSUVモデルは”出ることがないだろう”と思われていただけあって、さらに世間を騒がせている。フェラーリ初の4ドアSUVはいったいどんな車なのだろうか?
※私は勝手にSUVと言っていますが、フェラーリはプロサングエを明確にSUVとは定義していません。

  プロサングエはどんな車?

・スペック

グレード 排気量 エンジン 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 新車価格
Purosangue 6,496cc V型12気筒 NA 725PS/716N・m 8速DCT 4WD -km/L 約4800万円

用意されるグレードは1種類のみ。6.5L V12の自然吸気エンジンを搭載し、最高出力は725馬力、最大トルク716Nmを発揮する。トランスミッションは8速DCTを採用し0-100km/h加速が3.3秒で、0-200km/h加速は10.6秒。最高速度は310km/hとなっている。値段はFerrari812 スーパーファストを上回る4800万円である。

・車名の意味は「純血」

フェラーリといえば、車名にエンジンの排気量や気筒数、駆動方式などを含めることが多い。しかし、プロサングエはそう命名されていない。「プロサングエ(Purosangue)」はイタリア語で「純血(サラブレッド)」を意味する単語だ。これはフェラーリの伝統であるV型12気筒自然吸気エンジンのみを搭載し、ターボやハイブリッドシステムなどは採用せず、エンジンに余計な装備を持たない、いわゆるフェラーリの「純血」であることを示す車名なのである。
フェラーリといえば、現行のF8リブートや458イタリアなどのV8エンジンモデルが人気だが、実はV8エンジンモデルは後発で、フェラーリの元祖であり伝統はV12モデルである。

・エクステリア(外装)

大きさは、全長×全幅×全高=4973×2028×1589mm。車高は高くもなく低くもないが、フェラーリのこれまでのモデルよりかは確実に高く、フェラーリの2ドア4人乗りモデル「GTC4ルッソ」の車高を単純に高くしただけとは言えないフォルムである。前述の通り、フェラーリはプロサングエを「SUVではなく、4ドアスポーツカー」と定義づけているが、SUVとしての側面を持っていることは間違いないだろう。
デザインは次世代のフェラーリといった感じで、シャープなヘッドライトやロングノーズ、上からの見た目はフェラーリ ローマに非常に似ている。フェラーリ初の4ドアはロールスロイスの様な観音開き式に開閉する。これは、後部座席への乗り降りを考慮してのことらしい。

・インテリア(内装)

運転席と助手席はは左右対称のデュアルコックピットタイプ。中央にディスプレイは配置されておらず、運転席と助手席にデジタルディスプレイを搭載している。フェラーリ ローマ同様にアナログのスピードメーターはなく、フルデジタルになっている。ステアリングのスイッチ類はマネッティーノスイッチとウインカーを除いてほとんどがタッチ式になっている。中央にはエアコンやシートヒーターの操作スイッチが配置され、エンジン始動と同時に操作ダイヤルがニョキっと出てくる仕掛けである(ランドローバーやジャガーで採用されているダイヤル式シフトと同じ様な感じ)。助手席のインフォメンとディスプレイではオーディオ等の各種操作を行うことができる。

後部座席は前席同様にセミバケット式シートが備えつかられており、コーナリング時に後部座席の乗客の体が左右に揺さぶられない様になっている。この辺りも、単なるSUVではなくスポーツカーであることを意識してのことだろう。

ルーフはカーボン製ルーフ、またはオプションで全面ガラスのエレクトロクロミックガラスサンルーフとなっている。エレクトロクロミックガラスサンルーフは、電圧でサンルーフの色を変えることができる特殊なガラスでできている。また、プロサングエにはブルメスター製のスピーカーが採用されており、V12サウンドだけでなく高音質で音楽も楽しむことができる(ブルメスターはベンツやマイバッハなどで採用されている高級カーオーディオ)。

ラゲッジスペースは473L。SUVとしては決して大容量というわけではないが、フェラーリ史上最大の容量であり、大概の荷物は積むことができる。また、後席を倒せばゴルフバッグのような長物も余裕で積むことができる。

・走行性能

フェラーリの中では最高クラスの実用性を誇るが、決して走りを犠牲にしているわけではない。そこはプロサングエ(=サラブレッド)、一度踏み込めば725馬力 V12自然吸気エンジンの抜群なレスポンスで瞬く間に加速していくことだろう。
運転したことはないが、極めて楽しく、そして快適なドライビングを楽しめることは想像に難くない。SUVを運転したことのある方ならわかると思うが、SUV車の運転は本当に快適である。そこにフェラーリのドライビングフィールが加われば、それはもう最高であろう。数多くの海外モータージャーナリスト達が、「プロサングエは最高のフェラーリ」と口を揃えて言うのも納得ができる。

また、このプロサングエは様々なフェラーリの最新技術が織り込まれている一台だ。
4WDシステムについてだが、フェラーリFFやGTC4ルッソにも採用されていた、「4RM-S」をさらに進化させた「4RM-S Evo」が搭載されている。簡単に説明すると、クラッチ等を組み合わせて4輪のトルクをそれぞれ別々にコントロールする機能だ。これによって、コーナリング時に4輪のトルクを適切な値に保ち、無駄のないコーナリングを実現できる。
サスペンションも専用のものが取り付けられており、コーナリングに合わせてサスペンション内部の油圧を自動コントロールし、車体がロールするのを防いでくれる。
また、8速DCTのトランスミッションを後輪部分に取り付けることで、フロントミッドに置かれたエンジンと適切な重量バランスを保っている。重量の前後比は49:51と、まさにスポーツカーの理想的な比率である。

  人気車種になることは間違いない

プロサングエはフェラーリの人気車種になることは間違いないだろう。実際、スーパーカーブランドが作成するSUVは大人気だ。ランボルギーニのウルスは発売から4年で1万6000台以上を売り、ランボルギーニ史上最も人気な車種となった。ウルスやベンテイガとか都内で結構見かけるので、もう少ししたらプロサングエも見かけることができそう。ランボルギーニやベントレーが作ってもSUVだと少し目立たなくなっちゃう気がするので(勿論目立つが、アヴェンタドールとかコンチネンタルGTとかに比べると、という意味)、街中で走るプロサングエはどんな感じなんだろう?ロッソとかジアロ系のだったらめちゃくちゃかっこいいだろうな~。それにしても、「プロサングエ」って名前カッコよすぎる。

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